「今は1割負担だけど、これから2割になるの?」
「親の介護費用が増えたら、今のサービスを続けられるだろうか」
介護のお金は、毎月の暮らしに関わる大切な問題です。制度の見直しという言葉を聞くだけでも、先のことが心配になるかもしれません。
まず、お伝えしたいこと
今の議論によって、すべての方が一律に2割負担になると決まったわけではありません。
2026年10月26日に公表された厚生労働省の資料では、2割負担になる人の範囲などが引き続き検討されています。この記事では、今の仕組みと検討中の内容を整理し、ご家族が確認できることをご紹介します。[1]
01現在の自己負担は、原則1割。所得などによって2割・3割です
訪問介護などの介護保険サービスは、保険対象となる費用の一部を利用者さんが負担する仕組みです。
原則は1割で、65歳以上の方は本人の所得や同じ世帯の65歳以上の方の収入などに応じて、2割または3割になります。
年金の振込額だけでは、正確な負担割合は判断できません。ご自身の割合は、市から交付される「介護保険負担割合証」で確認しましょう。[2]
なお、ここで説明しているのは、サービスを利用したときの「自己負担」です。年金からの天引きなどで納める「介護保険料」とは別の費用です。[3]
02今、何が見直されようとしているのでしょうか?
大きな論点の一つが、現在1割負担の方のうち、どの範囲まで2割負担の対象にするかということです。
背景には、介護を必要とする方の増加や、介護を支える人材・費用の確保があります。一方で、負担が増えて必要なサービスを利用しにくくならないよう、生活への影響も含めた検討が求められています。[1]
「貯金があれば2割になる」と決まったの?
そう決まったわけではありません。
議論に出てくる「金融所得」と「金融資産」は、意味が異なります。
- 金融所得:株式の配当や売却益など
- 金融資産:預貯金や保有する株式など
金融所得は、現在も確定申告の状況などによって負担割合の判定に反映される場合があります。その扱いをどう公平にするか、資産をどのように把握・反映するかが議論されています。[1]
いつから変わるの?
2割負担の対象範囲については、2027年度が始まる前までに結論を得る方針が示されています。
ただし、結論を出す時期と、新しい制度が実際に始まる日は別です。確認した資料では、見直し後の具体的な基準や実施日は確定していません。[1]
03もし1割から2割になったら、請求額は全部2倍?
ここは、特に誤解しやすいところです。
仮に、保険対象となる介護サービスを月10万円分利用した場合、負担軽減制度を適用する前の単純計算は次のとおりです。
| 負担割合 | 介護サービス分の自己負担 |
|---|---|
| 1割 | 月10,000円 |
| 2割 | 月20,000円 |
| 3割 | 月30,000円 |
※同じサービス内容・費用で比較した説明用の例です。支給限度額を超えた利用分や保険外の費用は含みません。実際の支払額は、負担軽減制度などによって異なります。
この例で1割から2割になると、介護サービス分は月1万円増えます。
一方、サービス付き高齢者向け住宅などで支払っている家賃や食費まで、負担割合の変更に連動して2倍になるという意味ではありません。介護保険サービスの自己負担と、住まい・食事などの費用は分けて確認する必要があります。[4]
請求書の合計額だけを見るより、「介護保険分はいくらか」「それ以外はいくらか」を確認すると、ご自身への影響を整理しやすくなります。
04負担を軽くする制度もあります
現在も、対象となる介護サービスの自己負担が月の上限を超えたときに、申請によって超えた分が支給される「高額介護サービス費」があります。上限は所得や世帯の状況などによって異なります。[5]
ただし、食費・居住費、福祉用具の購入費、住宅改修費などは対象外です。介護に関する支出がすべて上限内に収まる制度ではありません。[6]
また、特別養護老人ホームなどの対象施設やショートステイでは、一定の所得・資産要件を満たす方の食費・居住費を軽減する「負担限度額認定」という別の制度もあります。
こちらは対象となる施設・サービスが決まっており、サービス付き高齢者向け住宅の家賃・食費が、そのまま対象になるものではありません。[7]
名前が似ていて分かりにくい制度もあるため、「自分が利用しているサービスでは、どの支援を受けられるか」を確認することが大切です。
05ご家族が今、確認しておきたい3つのこと
制度の議論をすべて追いかけなくても、まずは次の3つから始められます。
①負担割合証の「割合」と「有効期間」
手元の証に、1割・2割・3割のどれが記載されているか確認しましょう。有効期間も一緒に確認しておくと安心です。
②請求書の「介護保険分」と「それ以外」
直近の請求書を見て、介護サービスの自己負担、家賃、食費、その他の費用を確認してみてください。分からない項目は、事業所に聞いていただいて大丈夫です。
③負担軽減制度の申請状況
「高額介護サービス費の対象になっていないか」「申請が必要な通知が届いていないか」を、担当のケアマネジャーや佐世保市の窓口に確認しましょう。
相談するときは、負担割合証・最近の請求書・市から届いた通知を手元に用意すると、話を進めやすくなります。
06費用の心配も、介護の大切な相談です
「お金のことは、少し聞きづらい」
「家族で何とかするしかないのかな」
そう感じる方もいらっしゃると思います。
けれど、介護は日々の生活の中で続いていくものです。ご本人に必要な支援と、ご家族が無理なく続けられる負担の両方を考えることが大切です。
費用が気になるときは、サービスを減らすと決める前に、担当のケアマネジャーへご相談ください。今の利用内容や使える制度を、一緒に確認するところから始めましょう。
佐世保市のはらケアサービスでは、訪問介護・居宅介護支援・サービス付き高齢者向け住宅「友彩」を通じて、地域の暮らしを支えています。
「いくらかかるのか分からない」という段階から、
どうぞ遠慮なくお聞かせください。

